『ゴールベース』、『キャッシュベース』のライフプラン
ライフプランソフトって大きく2種類に分類されるってご存じですか?
簡単にご紹介しますね。
Table of Contents
ライフプランの種類
2種類というのは、
1つ目が『キャッシュ ベース』のライフプラン
2つ目が『ゴール ベース』のライフプラン
です。
聞いたことはあまりないと思います。
明確に分類があり、線引きが綺麗にできる訳ではありませんが、
ソフトの作り手のコンセプトなどで2つに分けられます。
ソフトの違いもありますが、FPの思想も2つに分かれるかもしれません。
どちらが良いというわけでなく、それぞれに特徴であり、
場合によっては使い分けが必要と思います。
『キャッシュ ベース』のライフプラン
キャッシュベースは『資金の収支』を精度を高めることに重きを置いています。
具体的には『金額』と『タイミング』です。
『金額』は、例えば、
・現在の収入と将来の収入の予測から年金額を正確に算出する
・大学の学費、その他の費用を正確に算出する
などです。
『タイミング』は
・子供の大学の入学金は入学前の2月か3月に必要。入学した年度ではない。
・年金は年払いでも月払いでもなく、2カ月単位である。
など。
これらを把握するには、入力項目数が多すぎるという課題があります。
また、いくら今の年金制度で計算しても、おそらく制度は変わっていますので、
若い人が今の年金制度で年金額を一生懸命計算しても、参考でしかありません。
『ゴール ベース』のライフプラン
ゴールベースのライフプランは、ライフプランで設定したゴールを達成するために
『どういった行動をするか』、『改善をするか』に重きをおきます。
全体的な収支や傾向を把握するためですので、
キャッシュベースに比べて、ライフプランソフトに入力するデータは少なく、
出てきた結果も、概算値であったり、タイミングまでは表示がありません。
長期的な検討をするにはゴールベースが必要
2つのライフプランの思想は真逆です。
使い分けが必要です。
キャッシュベースの思想でライフプランを行うと、思考が細部に行きがちです。
なので、退職前後に、『何歳で退職したらよいか?』『在職老齢年金はどうなるか?』は
スポット的なテーマになるので、キャッシュベースの方が向いていると思います。
一方で、生涯に渡る計画は『ゴールベース』の方が向いていると思います。
例えば、老後資金不足のどうするか検討する場合は、
『老後資金不足額』の把握を素早く行い
↓
『どういった運用をするか』
『積立金をどう捻出するか』
『子供の教育にどれくらい掛けられるか』
『住宅予算はいくらが適正か』
など、総合的に検討する時間に割り当てた方がいいです。
アメリカのライフプランソフトは?
当初は『キャッシュベース』が主流でしたが、
『ゴールベースアプローチ』が主流の今は『ゴールベース』が主流になっています。
現時点では、アメリカのライフプランソフト(ファイナンシャルプランソフト)と
日本のライフプランソフトでは雲泥の差がありますが。。
予定通りに行かない
ある保険の営業マンに
「ライフプランを作っても、どうせその通りにいかないので、作っても無駄」
と言われたことがあります。
たしかに、ライフプラン通りにいかなことも多々あると思います。
過去30年と、今後の30年の不確実性は比べ物にならないかもしれません。
個人的な話になりますが、15年前の結婚時に
『子供が3人になると予想していなかった」
『会社を辞めて、独立すると思っていなかった』
『いまの家・地域に住むなんて思ってもいなかった』
など、予期しなったことがたくさんあります。
今後もありそうです。
だからといって、『当初から無理な予算の住宅を買う』『老後資金不足も目をそらす』は
最初から破綻することになりますので、マズイかと思います。
シナリオ分析・ライフプランのリプランニング
当初の予定通りには、たぶんいかないでしょう。
収入も増えるかもしれないし、増えないかもしれません。
なので、シナリオを幾つか準備してライフプランの作成をします。
そのため、ライフプランソフトは比較の容易さが求められています。
ライフプランの比較
大まかに比較すると以下の通りです。
ゴールベース | キャッシュベース | |
ライフプラン作成の目的 | 課題を把握し、対策を立案するための手段 |
(当然今後の対策に使うのだが) 正確な収支の把握 |
作成の手間 | 小 |
大 作成に時間がかかり、相談時間が減る |
ライフプランの精度 | 収支全体の概要が分かる |
収支全体の詳細に分かる |
機能 |
比較機能 |
正確な計算(金額・タイミング) |