AIの襲来はいつか?
AIが発達することで
将来なくなる仕事にFPが入っているかどうかですが、
数年前に見た記事では、
『キャッシュフローや投資アドバイスなどは
AIが行い、人間のFPは不要となる。 』
しかし、
『相談者(人間)はAIのアドバイス通りにはやらないので、
それをコーチングする人間のFPは必要である』
のようなことが書いてありました。
ライフプランソフトYouWillを運営する立場で
P関連のAIがどの程度進んでいるかをお伝えしたいと思います。
結論は、
—
AIに取って代わられるのは『まだまだ先』です。
でも、
インシュアテック(保険×テクノロジー)など
部分的に便利な機能はできているので、
テクノロジーの理解をしておいた方がいいです。
—
です。
Table of Contents
AIに取って代わられるのは『まだまだ先』の理由
①ライフプランは変数が多すぎる
会計ソフトでAIが自動で仕訳をする機能があります。
これは勘定科目の数と入力パターンなどに
ある程度の上限があるため、機械学習のなかで構築可能です。
ですが、ライフプランの場合、
生活費、教育費、住宅、投資とそれぞれに多数の選択肢があります。
それを相談者の夢や希望・嗜好などの優先順位を勘案する必要があります。
さらに東京の5000万円の住宅と地方の5000万円の住宅には差があり
それらも勘案する必要があります。
総合的に判断して、適切にアドバイスするのはなかなか難しいです。
②機械学習には人手がいる
自動運転できる車は、標識などを認識しますが、
あれは教師有りの機械学習をさせています。
教師有りの機械学習とは、
例えば、猫の写真と犬の写真を見せて、
これは猫、これは犬とAIに理解をさせます。
この作業は、人間が何万枚、何億枚もの写真を判別して
AIに覚えさせていますので、相当な人手がいります。
中国やインドにはそのような仕事があり、
朝から晩まで、これは「止まれ」「進入禁止」などの標識を
AIに覚えさせているそうで、
大手自動車メーカーはそれらの企業に発注しているそうです。
これをライフプランに当てはめてやるには、人手が足りないということです。
①で書いたように変数が多いですし、AIに覚えさせる作業は容易ではありません。
③AIの出してきた結果を信じられるか?
医療業界でもAIの活用は進んでいます。
AIがお医者さんの代わりに病気の原因を突き止めるため
様々な文献から情報を引っ張り、推測するそうですが、
ここで課題がでてきます。
『お医者さんでも分からない病気の原因をAIが特定したら
お医者さんが本当に大丈夫か?と思い、結局使われない。』
『逆に、すぐに理解できる原因をAIが示したら
そんなのAIに頼らなくても分かっている、となり使われない』
と言うことだそうです。
AIが出してきたライフプランも
『突拍子もない結果だと、信じてもらえない』
『ありきたりの結果だと価値がなく、使われない』
という、どっちに転んでも負けゲームになりそうなジレンマがあります。
AIの出してきたライフプランを解説することが
FPの仕事だったりするかもしれません。
④そもそもビジネスとして成り立つか。
AIの開発にはお金が掛かります。
無人運転のモノレールがあり、運転手が不要になり便利そうに見えますが、
自動運転を監視する人が必要であったり、
そもそもその自動運転を開発もメンテナンスも莫大なお金が掛かっています。
モノレールの無人運転が採算があっているのか分かりませんが、
FP業務のAI化は、難易度と開発費用の割に
何かしらの成果があがり、収益を上げることできるのかどうか、見通しが立ちません。
そうなると、なかなか投資家からの資金は出なさそうな気がします。
フィンテックはどんなのがあるか?
インシュアテック、ロボットアドバイザー
決済システム、仮想通貨、クラウドファンディング
ソーシャルレンディング、家計簿(PFM)など
フィンテックの種類はあり
一部の機能としてAIが搭載されていると思います。
それぞれ便利なものだと思いますが、
FPが行っている包括的なアドバイスは無理そうです。
とはいえ、部分的には優れたものになってきて
相談者で利用している人も増えて、質問を受ける可能性もあるので、
これらをFPも理解しておく必要はあります。
FPの方向性
当初より言われているように
数字を出したりするのはAI(またはシステム)の方が得意ですので、
人間のFPはコーチング、カウンセリング、コンサルティングが
ますます重要になると思います。
アメリカでは『人間のFP』と『ロボアド』のハイブリット型のアドバイスに移行しています。
YouWillも、ライフプランだけでなく様々なことが自動化できるよう進化させる予定ですので、
FPの皆様と共存共栄できるのを目指したいと思います。